2008年03月06日
春の魚 ニシン
今日の魚はニシン(鰊)

旬は春のニシンという魚はかつては春を運んでくる魚として、
3月〜5月頃に産卵の為に北海道の沿岸にニシンの群来
(クキ)として押しよせたが、今はそのニシンもどこへ行ったのか。
●何故ニシンというかは。
ニシンは『二身』と称し、身を二つに割り干してミガキニシン
とすることからまた『鯡』とも書くが、これは江戸時代の
松前藩がニシンを海から獲れる米と考え重要な食糧と
みなして、たからであり、魚に非ずという意から。
その他(春告魚)は、産卵するニシンを春ニシンと言うとから。
北海道では春ニシン、秋ニシン、ハシリニシン、ナカニシン、
サラバニシンなどの名がある。
またカドニシン(北海道・東北)とは 蝦夷語で「カツ・カド」
は糧(かて)や糅(かつ)の意で、飯の足しにするものを言う。
数の子はカツの子という意味。
●ニシン目ニシン科ニシン属
数種のニシンがおり、主に大西洋と太平洋に区分されるが、
更に場所によっては多少の差が認められ、アラスカ・カナダ系、
ノルウェー系、イギリス・フランス・ポルトガル系、
北海道・樺太系がある。
現在は北海道・樺太系は見られず、北海道で見られるのは
北洋・サハリン系、テルペニア(サハリン東岸)系か、
厚田(石狩湾)やサロマ湖、能取湖、風連湖、厚岸、湧洞沼
など、沿岸で水揚げされる根付きニシンなどであるが、
根付のものは脂が少なくパサパサしている。
同じ仲間にイワシがいる。
魚類には涙腺が無いが、ニシンには目の周りに「脂瞼
(しけん)」と呼ばれる脂肪が固まったものがある。
冷たい海で泳ぐため、目を保護しているのかもしれないが、ふぐ
やマンボウと違い目は閉じられない。
●ニシンの分布は冷水魚で、摂氏0〜12・13℃の水温域に
生息し、適温は4〜6℃。
寒流域沿岸であればほとんど分布し、北は北氷洋から南限は
利根川までがその範囲である。
また、湖沼性のニシンでは、茨城県の涸沼(ひぬま)に12〜
4月にかけて遡上し、湖岸で産卵するものがある。
●産卵は通常4年たってから産卵するがアラスカでは6〜7年後
と遅いともいわれる。
一般に、魚の年齢に万を掛けた数がおおよその胞卵数で、
ニシンは3〜10万粒の卵を持つ。
ブリストル物の数の子がカナダ物より大きいのはこのため
かも知れない。
水深5〜50mあたりの海草に大きさ1.3〜1.6mmの卵を
産卵する。
産卵後の卵はお互いに密着する構造になっている。
ニシンは、狭い海域にいっせいに来遊して産卵をするため、
海は雄の精液で真っ白になる。これを群来汁(くきじる)と言う。
1年で15cm、5年で30cmになり、寿命が18年に達するものもある。
●ニシンの獲れる量は大正時代が最盛期で、70〜80万トン
あったが昭和30年に、地元の人が「群来」と呼ぶ集団産卵
現象が突然途切れ、姿を消した幻の大衆魚である。
現在では、北海道の風蓮湖(ふうれんこ)などの、湖沼ニシンや
沿岸型ニシンを中心に、この数年では1〜2千トン程度となっている。
輸入は、ニシンが数の子入りを含めて62千トン。
数の子のみが、冷凍と塩蔵を合わせて14千トン程度である。
●明治の勃興期、生糸輸出により近代への道を走り出していた
日本は、日清・日露戦争を戦い抜く戦費を生糸が稼いでいた。
生糸―カイコ―桑の生育に鰊の肥料が欠かせなかった。
またニシン油からは石鹸が作られ、グリセリンや火薬の材料と
しても利用されていた。
まさに、鰊によって明治は支えられたのである。
●ニシンは室町時代から食用にされていたもので、始めは
数の子しか食用にせず、身は肥料にされていた用であるが
江戸時代に発達した北前船は、北海道や日本海側と京都や
大阪を結ぶ物流の中心で、ニシンもこれによって流通し、
松前から津軽、秋田、山形にかけては生カドや塩カド、
加賀では身欠によるニシン寿司、京都ではニシンそば、
大阪ではコブ巻と、北の素材を、その土地その土地でうまく
加工した郷土料理が生まれていった。
●身欠ニシンとは内臓や卵巣(数の子)を取り出し、2〜3日
よく日に干し乾かした後、1ヶ月以上干し固めたもので、
腐らないのは、油脂やその中の不鹸化物が、細菌などの
増殖を押さえる働きがあるためである。
●産地別ニシンの特徴
数の子については、
・北部太平洋のアラスカ産かカナダBC州のものが、噛むと
ポリポリ鳴る上等な数の子になる。
・砂地に産卵する北大西洋産は、シャリシャリとした感じで、
味つけ数の子や松前漬けになる。
・上質な身欠ニシンには、サンフランシスコ沖のものが適している。
A.アメリカ北東太平洋
・サンフランシスコ沖
脂肪含量比較的多く身欠ニシンの原料。
・アラスカ湾沿岸
低脂肪のため漬物用身欠ニシンの原料。
・ブリストル湾沿岸
脂肪分があり、利用範囲が広い。
B.カナダBC州
脂肪分があり、上干物の身欠ニシンの原料として最適。
C.大西洋
・カナダ
肉質柔らかく体脂肪が低いため、加工原料として
は不向き。冷凍ニシンは端売り用。
・ノルウェー
端売りが主体。
一部加工(開き)に利用されるが、品質は落ちる。
・アイスランド
体脂肪が高く張りがあるため、開きや一夜干し
身欠、その他に利用される。
●数の子
『本朝食鑑』によると「カドノコと呼ぶべきところを【ト】と【ス】
を誤ってカズノコとよんでいる」と記載されている。
卵巣を乾燥した「干数の子」、塩漬にした「塩数の子」、味付け
した「味付け数の子」がある。
カナダ物は原卵で、カナダ物よりう皮がやや厚いブリストル物
は、原卵と原魚の両方で輸入される。
数の子は歯ごたえが命であるが、もともとの卵巣は他の魚と
同様に柔らかい。しかし、ニシンの卵巣だけは、理由は
不明だが、塩漬けにすると硬くなる性質がある。
太平洋産の数の子( )内は漁期と魚体重
・サンフランシスコ(12〜2月 120g)
魚の割りに卵も大きく卵質もしっかりしており、
無過水、無漂白数の子でよく販売されている。
・カナダ(3〜4月 150g)
卵質もしっかりしており、数の子の中心的存在。
・シトカ(4月下旬 90g)
小型中心、味付け用で業務筋中心に利用。
・クック&コディアック(4〜6月 200g)
特大〜大中心、カナダ物とブリストル物の中間。
・トギャック&ノートン&ダッチハーバー
(5〜8月 300g〜400g)
特大中心で黄色味が強い。子質は粒子が大きい。
大西洋産の数の子 ( )内は漁期と魚体重
・カナダ東海岸
(5〜6、9〜10月 370g)
柔らかく粘着力に欠けるため、味付け用。
・シェトランド(8〜9月 180g)
粘着力に欠けるが歯ざわりがよいので、塩数の子
と味付け用。
・オランダ(11〜12月 155g)
上記に同じ。
・アイルランド(11〜2月 165g)
上記に同じ。
・バルチック(4〜5月 130g)
塩数の子用。
・ノルウェー(9〜10、1〜3月 )
卵の利用価値がない。
・アイスランド(10〜11月 400g)
上記に同じ。
数の子の生産工程
漁獲したニシンを水揚げし、ニシンの精巣は光を通しにくい
ことを利用して、雄雌を自動選別する。
次に、卵巣を傷付けないようにニシンの背中に切れ目を入れ、
頭と尾をそれぞれ機会でつかみ、左右に引っ張って背中の
切れ目から引きちぎると、卵巣がポロリと落ちてくる。
卵巣は塩漬けして、冷蔵して日本へ輸出される。
●ニシンのレシピ
身欠きニシンもたけのこ煮
材料(4人前)
身欠きにしん……2本
たけのこ…………1コ
人参……………1/2本
米のとぎ汁………適量
(A)
だし汁…………2カップ
しょうゆ………大さじ3
みりん…………大さじ2
砂糖……………小さじ1
1、身欠きにしんは熱湯につけておいてから5cm幅に切る。
鍋に米のとぎ汁、身欠きにしんを入れて火にかけ、
弱火で約30分煮る。
2、煮汁を捨てて、ひたひたになるまで水を加え、さらに火にかけて30分煮る。
また煮汁を捨てて、Aを加える。
3、弱火にかけて落としぶたをし、約30分煮る。
くし形に切ったたけのこ、型抜きした人参を加えてさらに煮て味を煮含める。
「魚最高!また、会いましょう!!」
旬は春のニシンという魚はかつては春を運んでくる魚として、
3月〜5月頃に産卵の為に北海道の沿岸にニシンの群来
(クキ)として押しよせたが、今はそのニシンもどこへ行ったのか。
●何故ニシンというかは。
ニシンは『二身』と称し、身を二つに割り干してミガキニシン
とすることからまた『鯡』とも書くが、これは江戸時代の
松前藩がニシンを海から獲れる米と考え重要な食糧と
みなして、たからであり、魚に非ずという意から。
その他(春告魚)は、産卵するニシンを春ニシンと言うとから。
北海道では春ニシン、秋ニシン、ハシリニシン、ナカニシン、
サラバニシンなどの名がある。
またカドニシン(北海道・東北)とは 蝦夷語で「カツ・カド」
は糧(かて)や糅(かつ)の意で、飯の足しにするものを言う。
数の子はカツの子という意味。
●ニシン目ニシン科ニシン属
数種のニシンがおり、主に大西洋と太平洋に区分されるが、
更に場所によっては多少の差が認められ、アラスカ・カナダ系、
ノルウェー系、イギリス・フランス・ポルトガル系、
北海道・樺太系がある。
現在は北海道・樺太系は見られず、北海道で見られるのは
北洋・サハリン系、テルペニア(サハリン東岸)系か、
厚田(石狩湾)やサロマ湖、能取湖、風連湖、厚岸、湧洞沼
など、沿岸で水揚げされる根付きニシンなどであるが、
根付のものは脂が少なくパサパサしている。
同じ仲間にイワシがいる。
魚類には涙腺が無いが、ニシンには目の周りに「脂瞼
(しけん)」と呼ばれる脂肪が固まったものがある。
冷たい海で泳ぐため、目を保護しているのかもしれないが、ふぐ
やマンボウと違い目は閉じられない。
●ニシンの分布は冷水魚で、摂氏0〜12・13℃の水温域に
生息し、適温は4〜6℃。
寒流域沿岸であればほとんど分布し、北は北氷洋から南限は
利根川までがその範囲である。
また、湖沼性のニシンでは、茨城県の涸沼(ひぬま)に12〜
4月にかけて遡上し、湖岸で産卵するものがある。
●産卵は通常4年たってから産卵するがアラスカでは6〜7年後
と遅いともいわれる。
一般に、魚の年齢に万を掛けた数がおおよその胞卵数で、
ニシンは3〜10万粒の卵を持つ。
ブリストル物の数の子がカナダ物より大きいのはこのため
かも知れない。
水深5〜50mあたりの海草に大きさ1.3〜1.6mmの卵を
産卵する。
産卵後の卵はお互いに密着する構造になっている。
ニシンは、狭い海域にいっせいに来遊して産卵をするため、
海は雄の精液で真っ白になる。これを群来汁(くきじる)と言う。
1年で15cm、5年で30cmになり、寿命が18年に達するものもある。
●ニシンの獲れる量は大正時代が最盛期で、70〜80万トン
あったが昭和30年に、地元の人が「群来」と呼ぶ集団産卵
現象が突然途切れ、姿を消した幻の大衆魚である。
現在では、北海道の風蓮湖(ふうれんこ)などの、湖沼ニシンや
沿岸型ニシンを中心に、この数年では1〜2千トン程度となっている。
輸入は、ニシンが数の子入りを含めて62千トン。
数の子のみが、冷凍と塩蔵を合わせて14千トン程度である。
●明治の勃興期、生糸輸出により近代への道を走り出していた
日本は、日清・日露戦争を戦い抜く戦費を生糸が稼いでいた。
生糸―カイコ―桑の生育に鰊の肥料が欠かせなかった。
またニシン油からは石鹸が作られ、グリセリンや火薬の材料と
しても利用されていた。
まさに、鰊によって明治は支えられたのである。
●ニシンは室町時代から食用にされていたもので、始めは
数の子しか食用にせず、身は肥料にされていた用であるが
江戸時代に発達した北前船は、北海道や日本海側と京都や
大阪を結ぶ物流の中心で、ニシンもこれによって流通し、
松前から津軽、秋田、山形にかけては生カドや塩カド、
加賀では身欠によるニシン寿司、京都ではニシンそば、
大阪ではコブ巻と、北の素材を、その土地その土地でうまく
加工した郷土料理が生まれていった。
●身欠ニシンとは内臓や卵巣(数の子)を取り出し、2〜3日
よく日に干し乾かした後、1ヶ月以上干し固めたもので、
腐らないのは、油脂やその中の不鹸化物が、細菌などの
増殖を押さえる働きがあるためである。
●産地別ニシンの特徴
数の子については、
・北部太平洋のアラスカ産かカナダBC州のものが、噛むと
ポリポリ鳴る上等な数の子になる。
・砂地に産卵する北大西洋産は、シャリシャリとした感じで、
味つけ数の子や松前漬けになる。
・上質な身欠ニシンには、サンフランシスコ沖のものが適している。
A.アメリカ北東太平洋
・サンフランシスコ沖
脂肪含量比較的多く身欠ニシンの原料。
・アラスカ湾沿岸
低脂肪のため漬物用身欠ニシンの原料。
・ブリストル湾沿岸
脂肪分があり、利用範囲が広い。
B.カナダBC州
脂肪分があり、上干物の身欠ニシンの原料として最適。
C.大西洋
・カナダ
肉質柔らかく体脂肪が低いため、加工原料として
は不向き。冷凍ニシンは端売り用。
・ノルウェー
端売りが主体。
一部加工(開き)に利用されるが、品質は落ちる。
・アイスランド
体脂肪が高く張りがあるため、開きや一夜干し
身欠、その他に利用される。
●数の子
『本朝食鑑』によると「カドノコと呼ぶべきところを【ト】と【ス】
を誤ってカズノコとよんでいる」と記載されている。
卵巣を乾燥した「干数の子」、塩漬にした「塩数の子」、味付け
した「味付け数の子」がある。
カナダ物は原卵で、カナダ物よりう皮がやや厚いブリストル物
は、原卵と原魚の両方で輸入される。
数の子は歯ごたえが命であるが、もともとの卵巣は他の魚と
同様に柔らかい。しかし、ニシンの卵巣だけは、理由は
不明だが、塩漬けにすると硬くなる性質がある。
太平洋産の数の子( )内は漁期と魚体重
・サンフランシスコ(12〜2月 120g)
魚の割りに卵も大きく卵質もしっかりしており、
無過水、無漂白数の子でよく販売されている。
・カナダ(3〜4月 150g)
卵質もしっかりしており、数の子の中心的存在。
・シトカ(4月下旬 90g)
小型中心、味付け用で業務筋中心に利用。
・クック&コディアック(4〜6月 200g)
特大〜大中心、カナダ物とブリストル物の中間。
・トギャック&ノートン&ダッチハーバー
(5〜8月 300g〜400g)
特大中心で黄色味が強い。子質は粒子が大きい。
大西洋産の数の子 ( )内は漁期と魚体重
・カナダ東海岸
(5〜6、9〜10月 370g)
柔らかく粘着力に欠けるため、味付け用。
・シェトランド(8〜9月 180g)
粘着力に欠けるが歯ざわりがよいので、塩数の子
と味付け用。
・オランダ(11〜12月 155g)
上記に同じ。
・アイルランド(11〜2月 165g)
上記に同じ。
・バルチック(4〜5月 130g)
塩数の子用。
・ノルウェー(9〜10、1〜3月 )
卵の利用価値がない。
・アイスランド(10〜11月 400g)
上記に同じ。
数の子の生産工程
漁獲したニシンを水揚げし、ニシンの精巣は光を通しにくい
ことを利用して、雄雌を自動選別する。
次に、卵巣を傷付けないようにニシンの背中に切れ目を入れ、
頭と尾をそれぞれ機会でつかみ、左右に引っ張って背中の
切れ目から引きちぎると、卵巣がポロリと落ちてくる。
卵巣は塩漬けして、冷蔵して日本へ輸出される。
●ニシンのレシピ
身欠きニシンもたけのこ煮
材料(4人前)
身欠きにしん……2本
たけのこ…………1コ
人参……………1/2本
米のとぎ汁………適量
(A)
だし汁…………2カップ
しょうゆ………大さじ3
みりん…………大さじ2
砂糖……………小さじ1
1、身欠きにしんは熱湯につけておいてから5cm幅に切る。
鍋に米のとぎ汁、身欠きにしんを入れて火にかけ、
弱火で約30分煮る。
2、煮汁を捨てて、ひたひたになるまで水を加え、さらに火にかけて30分煮る。
また煮汁を捨てて、Aを加える。
3、弱火にかけて落としぶたをし、約30分煮る。
くし形に切ったたけのこ、型抜きした人参を加えてさらに煮て味を煮含める。
「魚最高!また、会いましょう!!」

